チェスを通じて学んだこと

 

チェスは現実世界の縮図である。相手がいて、意思決定プロセスがあって実際の行動がある。また完璧な手が存在し、一方でプロでもない限りほとんどの場合はそれとは程遠い選択をしてしまう。

しばしば最善手を繰り出すには全ての可能性を考慮するのが効果的であるがそれも現実世界と合致しているように見える。

 

普段の生活では自分の行動は自分の考える最善手である。そこに今まで疑いの余地はなかった。一方でチェスのサイトでは自分の動きがどれだけ悪かったかをAIが教えてくれる。完璧だと思った手は実際には理想とは程遠いものである。

 

チェスをするようになってからは現実世界でも同様に自分の行動が最善からかけ離れているとする方が現実的だと考えるようになった。

この考え方はいわば自らの中に芽生えた批判の目である。

 

批判されることはしばしば重要な変化を私に与え続けてきた。辛辣な批判は私を大学に送り込み、人格を育んだとも言える。そのような力をある程度内部化できたのだとしたらチェスをやってよかったと思える。